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Hello, Prep Investor!

投資前夜に読んで欲しいインサイト③S&P500とは?

ステート・ストリート日本オフィスの運用責任者が、インデックス・ファンドの仕組みをわかりやすく解説。納得して投資を始めるためのヒントをお伝えします。5回シリーズの第3回は米国を代表する指数であるS&P500について。指数の特徴や世界への影響についてお話します。第2回「TOPIXとは?」はこちらステート・ストリート日本オフィスの運用責任者が、インデックス・ファンドの仕組みをわかりやすく解説。納得して投資を始めるためのヒントをお伝えします。5回シリーズの第3回は米国を代表する指数であるS&P500について。指数の特徴や世界への影響についてお話します。第2回「TOPIXとは?」はこちら

取締役副社長 チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)

S&P500とは

今回は、前回のTOPIXから視点を米国株式市場に移し、当社の歴史においても極めて重要な意味を持つ指数、S&P500指数(以下S&P500)をご紹介します。その名の通り、500社の米国を代表する企業の株価の値動きをまとめて表した指数であり、世界中の投資家が利用しているS&P500。算出方法はTOPIXと同様、市場で実際に売買される可能性が高い浮動株(フリーフロート)のみを対象とした時価総額加重型です。少し補足すると、主要な市場全体型株価指数の多くは浮動株時価総額加重型を採用しています。一方、日経平均株価(225)やNYダウは株価平均型です。算出方法については、前回のTOPIXとは?の回でも詳しくお話ししています。

S&P500の歴史

さて、S&P500のルーツは1920年代まで遡りますが、現在の形で算出が開始されたのは1957年です。日本で日経平均に対してTOPIXが生まれたように、米国でも当時主流だったNYダウに対してS&P500が誕生しました。以降の市場での立ち位置はTOPIXと概ね同様で、主に機関投資家が自らの運用成績を測る指標として用いられ、単なる統計データではなく、運用の物差し、すなわちベンチマークとして認識されるようになります。

S&P500を売買できる時代へと導いたステート・ストリートのSPY 

S&P500はその後更なる変化を遂げます。きっかけは1993年、当社が米国初のETFとして設定したSPY(State Street® SPDR® S&P 500® ETF)の誕生です。それまで純粋に「市場を映す鏡」だったS&P500は、「売買できるもの」へとその本質を変えました。1987年の歴史的な株価急落となったブラックマンデーを経て、市場全体を一つの証券として取引できないかという問題意識が、市場関係者の間で共有されるようになり、その流れを受け誕生したのがSPYでした。既に投資家から高い信頼を得ていたS&P500を、そのまま市場に出すための器として、ETFを設計したのです。

S&P500はETFの誕生で市場を形成する力を持つように

SPYの登場でS&P500は機関投資家、年金機構、各国中央銀行、世界中の個人投資家にとっての投資の基準(ベンチマーク)として機能する存在となりました。いわばSPYは、S&P500が更に「市場を形成する力」へと変化した立役者です。現在S&P500に連動するETF、投資信託は多くの運用会社が取り扱っていますが、これらを通じて流入・流出する巨額の資金はS&P500の構成銘柄全体を同時に動かすことを意味し、企業価値形成そのものに大きな影響を与えうる存在となっています。

S&P500が社会にどう影響を与えた?

1つの指数にすぎないS&P500ですが、その存在が世界の社会・経済に大きく影響を与えたと評価されている事例は過去にいくつかあります。例えば2008年の世界金融危機では、複数の金融機関の破綻により実体経済や金融システムに深刻な問題が生じ、それがS&P500の大幅下落として現れました。このS&P500の急落によって米国経済の急激な悪化が可視化され、広く認知されることとなり、恐怖と不信が一気に拡大したのです。銀行・企業・家計の行動が同時に萎縮し、信用収縮や投資・消費の急減を招いたことで実体経済がさらに悪化、世界全体が「危機」状態へと陥りました。

長期的なS&P500の推移と人々に与える影響

もちろん良い影響もあります。不況懸念が強まる中、S&P500が決定的な下落を示さなかったことで「もしかすると状況はそれほど悪くないのでは?」という見方が広がり市場心理が安定した結果、パニック的な売却の連鎖が回避された例も、危機時ほどの劇的な出来事では無いものの多くあります。長期的な目線ではS&P500は上昇を維持してきました。その過程で家計の金融資産は増加し、将来への不安の後退を通じて消費が押し上げられ、雇用の拡大にもつながりました。S&P500は株式指数の枠を超え、株式市場の安定と成長を通じて実体経済を支える役割も担っていると言えます。

S&P500の中身

最後にS&P500の中身についても少し触れておきましょう。冒頭でS&P500は浮動株時価総額加重型とお伝えしましたが、それはつまり、時価総額の大きい会社がより大きく指数に影響するということを意味します。例えば構成比率トップ10企業を以下にご紹介しますが、日本のニュースでも連日耳にする名前ばかりだと思います。今日のグローバル資本市場において米国は、依然として世界経済の中核に位置すると言えるのかもしれません。

 

▼S&P500の構成比率トップ10

銘柄名ティッカー業界
Nvidia CorpNVDAInformation Technology
Apple Inc.AAPLInformation Technology
Microsoft CorpMSFTInformation Technology
Amazon.com IncAMZNConsumer Discretionary
Alphabet Inc AGOOGLCommunication Services
Broadcom IncAVGOInformation Technology
Alphabet Inc CGOOGCommunication Services
Meta Platforms, Inc. Class AMETACommunication Services
Tesla, IncTSLAConsumer Discretionary
Berkshire Hathaway BBRK.BFinancials

※S&P Global、2026年2月27日時点、業界はGICS®セクターによる分類

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次回予告

これまでインデックス運用、またTOPIX、S&P500という日本人に馴染みのあり且つ重要な指数についてお話してきました。次回は、投資初心者の方にも是非知っておいてほしい、債券の基本について触れたいと思います。債券は特徴を捉えれば構造は株式よりシンプルで、投資しやすいアセット(資産クラス)です。分散投資の検討に、参考になるお話ができればと思います。

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