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気候変動に対応したベータ/アルファ志向のポートフォリオ構築

コアとなるベータ志向の気候戦略に、サテライトとなる高い確信度に基づいたアルファ志向の気候戦略を組み合わせることで、トラッキングエラーを抑制しながらアルファの追求と分散投資が可能です。

Senior Strategist / Investment Strategy & Research
Senior Research Analyst

ESGと気候変動は、多くの政治的・規制面でのアジェンダ(議題項目)の最上位に位置しており、機関投資家の対応すべきタスクをより複雑なものにしています。機関投資家からよくある質問には次のようなものがあります。

  • どのような気候変動に対応した尺度を用いるべきか。また、それはフォワードルッキング(将来予測)モデル、またはヒストリカル(過去)データのどちらに依拠したものであるべきか、あるいはその両方を組み合わせたものであるべきか。
  • 同じ気候指標を異なる資産クラス、したがって資産配分において適用することができるか。
  • 気候変動に対応して最適な形で資産配分を行うために、除外スクリーニング、最適化、高い確信度などをどのように適用すべきか。
  • トラッキングエラーの許容値をどのように設定すべきか。また、どの程度の分散が必要なのか。

アルファとベータのソリューション

気候変動に関する戦略的見解をポートフォリオに組み入れたい投資家に対して、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、アルファとベータ志向の両方のソリューションを提供しています。当社のアルファ追求型戦略は、ファンダメンタル・グロース&コア株式(FGC)チームが運用するグローバル気候移行戦略で、MSCIワールド(またはACWI)指数に対して3%の超過リターンを目標としています。また、当社のベータ志向型戦略はステート・ストリート・サステナブル気候世界株式戦略で、気候変動に対応して最適化された幅広いエクスポージャーを提供しており、MSCIワールド指数をベンチマークとしています(図1参照)。

グローバル気候移行戦略は、FGCチームのアナリストによる独自開発の気候変動に関連したフォワードルッキングなスコアに基づいた銘柄の選択を通じてアルファの創出を目指す集中投資のアプローチです。この戦略の目的は、各業界における気候変動対策のリーダーであり、かつ影響力のある30〜40社を選ぶことです。

ステート・ストリート・サステナブル気候世界株式戦略は、より広範で完全なルールベースの戦略であり、気候変動パラメーターはヒストリカル・データに焦点を当てたものとなっています。

この2つの戦略は、投資スタイルと確信度の点でお互いを非常に補完し合うものになっています。本稿ではまず、2つの戦略の気候変動に対するアプローチと指標の概要について説明します。そして、様々なコアサテライト・ポートフォリオの配分の中で、それらがいかに効果的に作用するかを解説します。

図表1
投資アプローチ

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