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セクター投資戦略を実行すべき3つの理由

セクター投資戦略は、好調なパフォーマンスを上げているセクターを狙ってアウトパフォーマンスを獲得しつつ、企業固有のリスクを抑えてポートフォリオを分散化することで、投資家がポートフォリオのコア部分を最適化するのに役立ちます。また、景気循環、長期的トレンド、またはテクノロジーの変化に対応してポートフォリオを調整する手助けとなります。

セクター投資は、投資成果を最適化するうえで、コスト効率が高く強力なポートフォリオ構築ツールとなり得ます。経済変数や景気循環がもたらす影響は経済の各セグメントによって異なるため、セクターに基づく投資戦略は、投資家が以下の目的を達成する助けとなります:

  1. アウトパフォームする可能性が高いセクターへの戦術的アロケーションによりアルファを追求
  2. 分散投資によりポートフォリオの集中リスクや企業固有のリスクを低減
  3. 景気循環や長期的トレンドに応じてポジションを再構築

1. アウトパフォームする可能性が高いセクターへの戦術的アロケーションによりアルファを追求

景気サイクルや長期的トレンドが変化する局面は、セクター戦略を採用する投資家にとって、ベンチマークをアウトパフォームしている主要なセクターにおけるアルファ創出機会を捉えることでリターンを向上させる絶好のチャンスです。特に過去10年間は、セクター(情報技術、ヘルスケア、エネルギーなどの大きな経済セグメント)間のリターンのばらつきが、伝統的な投資スタイル(グロース、バリュー、規模など)間のばらつきよりも2倍以上も大きくなっています1

ばらつきの大きさは、リターンの振れ幅が大きいことを意味しますが、魅力的なアルファ追求の機会も生み出します(図表1)。期待リターンが高いセクターをオーバーウェイトし、低いセクターをアンダーウェイトすることで、投資家はそうした変動性を超過リターンの潜在的源泉に変えることができます。

図表1: 相場をリードするセクターでアルファを獲得

2. 分散投資によりポートフォリオの集中リスクや企業固有のリスクを低減

膨大な銘柄ユニバースと、予測不可能な固有リスクによるボラティリティを考慮すると、個別銘柄の選択は容易ではありません。しかし、セクター投資は、銘柄固有のリスクを過度に負ったり個別銘柄の分析に手を煩わせることなく望ましいエクスポージャーを実現するのに役立ちます。

例えば、人工知能(AI)データセンターへの電力供給に注力している公益企業を1社か2社選択するのではなく、AI向け電力需要の拡大という長期的トレンドを捉えるために公益セクターへの広範なエクスポージャー(電力・ガス供給業者から、再生可能エネルギー発電・送配電を手掛ける独立系発電事業者まで)を追求するのも一手です。このアプローチは、特定の成長分野に的を絞ったエクスポージャーを確保しつつ、銘柄固有のリスクを緩和することを目指すものです。

セクター・ベンチマークをアウトパフォームする銘柄を選び出すには、好調なパフォーマンスを上げているセクターに便乗しているだけの企業と、堅固なファンダメンタルズと優れた経営によってアウトパフォーマンスを実現している企業を区別する能力が必要です。しかし、運ではなく真のスキルを見極めるのは容易ではありません。過去20年間で、各セクター平均を10%超アンダーパフォームした銘柄の割合(34%)は、10%超アウトパフォームした銘柄(29%)を上回っています(図表2)。

3. 景気循環や長期的トレンドに応じてポジションを再構築

経済は循環的に変動します。通常、それぞれの局面ごとに異なる経済的特徴と、経済変数(金利、インフレ、個人消費、企業投資など)の変化がみられます。それらの変化は各セクターとその構成企業に異なる影響をもたらし得るため、様々な局面で特定のセクターがアウトパフォームまたはアンダーパフォームする可能性があります。

セクターに基づく戦略を採用すれば、投資家は現在の経済状況が有利に働くセクターへのアロケーションを増やし、逆風に直面しているセクターへのアロケーションを減らすことにより、景気循環に合わせてポートフォリオを調整できます。

図表3:景気循環に応じてセクター投資機会を捉える

例えば、景気回復局面には、労働市場と消費者信頼感の改善が外食、旅行、耐久財への裁量的支出の増加につながり、一般消費財セクターに恩恵をもたらします。一方で、投資家が経済と株式市場の好転を捉えようとしてより景気敏感なセクターを選好するなか、製品への需要が非弾力的なため景気変動の影響を受けにくい生活必需品セクターは不人気となります。

セクターに基づく投資戦略は、構造変化やテクノロジーのトレンドが生み出す長期的な成長機会を捉えるのにも役立ちます。2022年11月のChatGPTのローンチ以降、生成AI技術はユーザーによる情報へのアクセス、デジタルコンテンツの消費、およびそれらのコンテンツとの相互作用のあり方に大きな影響を及ぼしています。AIのイノベーションと導入を主導する大手コミュニケーション・サービス企業(Alphabet、Meta、Netflixなど)は、AI主導の事業効率改善(コンテンツ自動生成やスケーラブル・パーソナライゼーションから広告キャンペーンの最適化まで)から恩恵を受けています。その結果、同セクターの利益成長率は2023年から2025年にかけて3年連続で上位2位以内に入り2、同セクターは同期間に市場全体を年率ベースで20%アウトパフォームし、最もパフォーマンスの高いセクターとなりました3(図表4)。

低コストで正確なセクター・エクスポージャーを得るためETFを検討

セクターETFは、潜在的なアルファ創出機会への広範なエクスポージャーを提供しつつ、個別銘柄選択に伴うコストとリスクを低減することで、ポートフォリオのコア部分を強化するための、コスト効率の高い分散手段を提供します。さらに、テクニカル、ファンダメンタル、マクロベースなど、シンプルかつ洗練されたセクター・ローテーション戦略を投資家が正確に実行することを可能にします。

ステート・ストリート(当社)は、1998年に初のセクターETFシリーズを設定しました。現在、ステート・ストリート® セレクト・セクターSPDR® ETFシリーズは世界産業分類基準(GICS®)で定義された11セクターの全てを網羅し、運用資産額(AUM)ベースで最大のETFシリーズとなっています(2025年12月31日時点のAUMは3,380億ドル4)。同シリーズはまた、最も低い経費率、最もタイトなスプレッド、そして流動性とオプション・インカム創出戦略を追求する投資家にとっては最大のオプション取引量を誇ります5