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トランプ2.0下の地政学的ショックに備えるポジションの構築方法

Global Head of Research
Head of Macro Policy Research
Europe Head of Investment Strategy & Research
Market Positioning, Global Fiduciary Solutions

当社は2024年3月、投資家は地政学的ショックに備えてどのようなポジションを構築すべきか (how investors should position for geopolitical shocks) という点について、コアなアイディアを幾つか紹介するレポートを発行しました。当社が当時懸念していた主たるものは、中東紛争に関連するエネルギー価格ショック、あるいは世界的な分断化に基づく、より広範囲におよぶリスクの見直しでした。本稿では、当該レポートの発行から2025年7月末までの当社推奨戦略のパフォーマンスを検証するとともに、今後台頭するとみられる異なる地政学リスクを反映するよう推奨戦略を修正します。

要約すると、当社は複雑さの異なるポートフォリオ・ソリューションを提供しました。最もシンプルな戦略として提案したソリューションは、エネルギー/コモディティ・ボラティリティのロング、金およびディフェンシブ株のロングなどです。一方、複雑な戦略として提案したソリューションには、株式の貸し出し、ソブリンおよび企業のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、為替ヘッジ、インプライド・ボラティリティに関連したオプションのヘッジ手法がありました。

金とディフェンシブ株のロングは、トランプ2.0期においても健全なポートフォリオの組み入れ資産として十分に妙味のある選択肢であると考えています。デリバティブ戦略のなかでは、引き続きソブリンと企業のCDS、ならびに幅広く株式を保有するより貸し出すことを選好しています。これらに加えて、現在当社は為替ヘッジおよびボラティリティ戦略に代わってペイヤースワップションも選好しています。