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2022年に注目されるセクターと投資テーマ

アクティブ・クオンツ株式(AQE)戦略の根幹をなす3つの投資テーマすべてにおいて、2021年は特別な年でした。2022年における当社の主な見通しは次のとおりです。


CIO, Active Quantitative Equity

2021年1月に、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(当社)は投資家の皆様に対して、当社の投資プロセスには新年を迎えるにあたって十分な用意があると書きました。ワクチン接種が進めば長期的な経済的結びつきや人間の行動は確立された規範に戻ると、当社は確信していました。また、市場が長期的に実証されているリターンの決定要因に戻ること、とりわけ当社のAQEにおける投資アプローチの基本である、バリュー、クオリティ、センチメントのテーマではそうであることも予想していました。

株式市場における変動が引き続き激しい中で、この予想が2021年に現実のものとなったことをお知らせするのは喜ばしいことです。基本テーマについては以下の点が見られました。

  • 2021年にはバリューとセンチメントでともにリターンがもたらされました。対照的に、2020年にはバリューは急落していました。
  • バリューとセンチメントの間の相関関係は、2021年には両テーマが共にパフォーマンスに寄与する中、一段と弱まりました。2020年には、バリューとセンチメントには強い負の相関がありました。
  • 2021年には、サステナビリティなどクオリティに関する多くの要素が好調でした。財務報告の質や業種固有のシグナルなど、当社の最近のリサーチが生み出した他の新しいシグナルも、良好なパフォーマンスを上げました。
  • センチメントのシグナルは、2021年に非常に良好なリターンをもたらしました。最良の結果は、業績発表のカンファレンスコールの議事録を機械学習を用いて解釈するという、当社が最近開発したシグナルによってもたらされました。

今月のレポートでは、ファクターの観点から見た、2021年の主なリターン決定要因について説明します。また、予想されるファクターパフォーマンスや選好度が最も高い、もしくは最も低いセクターといった、当社が選択した投資テーマの可能性を検討することで、2022年の展望についても述べます。

2021年のファクターリターンおよび2022年の見通し

ファクターパフォーマンスに関してこれまで最も難しい年となった2020年とは全く対照的に、2021年のファクターパフォーマンスは長期の期待リターンをはるかに上回るものとなりました(図表1を参照)。

Investment Themes

一般的に、1年の間に一部のファクターテーマのパフォーマンスが好調に推移すれば、他のテーマは比較的低調に推移すると考えられているため、この結果は特に注目すべきことでした。2021年は、すべてのテーマが好調でパフォーマンスに寄与したため、異例に好調となりました。

2022年の市場は、引き続き不確実なマクロ経済の動向から大きく影響を受けると思われます。金融政策の方向性が特に影響力を持ちそうです。成長率、インフレ、そしてそれに対応する金融政策への現在のコンセンサス予想が維持されるならば、これらの条件は、当社の銘柄選択モデルのバリュー、クオリティ、センチメントが組み合わさった特性に対して、引き続き追い風になるはずです。

当社のバリューのテーマは、2021年前半は経済再開シナリオに乗って好調な復活を果たしましたが、年の半ばにデルタ変異株が流行すると若干勢いを失いました。その後、オミクロン変異株が勢いを増すなかにもかかわらず、12月にバリューは新たに力強い動きを見せました。

2021年にクオリティは、当社の幅広いサステナビリティ・シグナル(クオリティのテーマに含まれる)が効いたこともあり、好調に推移しました。昨年、このサステナビリティ・シグナルは、新興国市場と先進国市場の両方において、2018年の当社の銘柄選択モデルへの導入以降、最も高いファクターリターンを記録しました。昨年のクオリティは単独でも良好なパフォーマンスとなりましたが、真に割安な企業を見極める際に投資家はクオリティとバリューを一緒に考える傾向にあることを指摘しておきます。つまり2つのテーマは通常は両者が一緒に効果を出す必要があるのです。

2021年末にかけて再びハイクオリティのバリューが上昇したのは、中央銀行が経済成長の下支えとインフレ抑制のバランスを適切にとるものと投資家が信頼し、世界経済が回復して生活が正常に戻ると信じたからだと考えています。

このパターンは2022年に入っても続くと考えています。リスクを最も選好する投資家は、ディープバリューの銘柄を選好すると思われ、他の投資家は銘柄を選ぶ際にクオリティとリスクを強く意識すると思われます。それでも、このシナリオにはリスクがあります。利上げしてもインフレを抑え込めない場合や、利上げが行き過ぎて経済成長に悪影響が出ることがあれば、ディープバリューに良い結果はもたらされず、ハイクオリティでディフェンシブな低ボラティリティ銘柄が最も底堅く回復力のある(レジリアントな)動きを示しそうです。

センチメントは過去10年間において良好に推移した投資テーマで、2021年のほとんどの時期で好調に推移しました。主要な経済状況は引き続き、「センチメント」を支えていますが、われわれは大きな変動性を秘めたこのテーマへのエクスポージャーをコントロールしています。こうすることで、2020年の11月に起きたような極端な相場の反転から引き起こされるダメージを回避することができます。

先進国市場では、2021年前半にハイリスク銘柄が大きく上昇し、高ベータ銘柄が大きくアウトパフォームしました。年後半には、投資家がインフレの加速や金利上昇に対して神経質になり始めたため、新興国を中心に高ベータでハイリスクの銘柄が大幅に反落しました。メインの経済シナリオに基づくと2022年に投資家が大幅なリスクテイクのスタンスを取るとは予想していませんが、金融政策が間違いを犯す可能性もあるため、市場のハイリスク分野は避けるべきだと考えています。

現在のセクター選好

2020年を特徴づけた極端な動きの一部は2021年に正常化しましたが、市場にはまだ行き過ぎの部分があり、それが2022年に急激に解消される可能性があると考えています。とりわけ、ベンチマーク指数の高い集中度や、これらの集中度の高い一部の銘柄に対して1年間で異常なほどの資金流入があったこと、そしてMSCIワールド指数の25%を占めるハイテクセクターなどの市場の主要部分のバリュエーション倍率が高いことは、2022年に破壊的な相場の反転を生じる要因となる可能性があります。

このような背景を踏まえ、図表2では、2022年に向けて現在選好度が最も高いセクターと最も低いセクターを示しています。

Investment Themes to watch

結論

2021年は、アクティブ・クオンツ株式戦略にとって非常に好調な年となりました。当社の投資手法の基本的なテーマがすべてうまく機能し、パフォーマンスに寄与しました。当社はこのような結果をもたらすと確信していました。そして、引き続き好調なパフォーマンスを維持するための条件が整っていると考えています。とはいえ、これまでの好調なパフォーマンスの背景となっているマクロ経済や政策の状況が変化する可能性があることも認識しています。その場合、さまざまな状況においてパフォーマンスを発揮できるように考えられた多次元的なアプローチが投資に有効だと考えています。2022年に見込まれる投資に関するユニークな課題に取り組むことを楽しみにしています。


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