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パリ協定準拠気候インデックスを理解する:債券投資家の手引き

Fixed Income Portfolio Strategist
Fixed Income Portfolio Specialist

EUのパリ協定準拠気候ベンチマーク(PAB)と気候移行ベンチマーク(CTB)は、温室効果ガス(GHG)排出量削減と低炭素経済への移行を目指す具体的な目標を組み込んだ運用ベンチマークです。これらは、低炭素経済への移行に対応する手段として、欧州委員会(EC)のテクニカル・エキスパート・グループ(TEG)によって2019年に初めて導入されました。その後2020年12月には、PABとCTBに関するTEGレポートの提言がEU低炭素ベンチマーク規則に盛り込まれました。

PABとCTBはいずれも、投資家が2015年のパリ協定で設定された目標を、環境的に持続可能かつ包括的であるような実践的な資本配分計画と運用戦略に組み入れるのを促すことを目指しています。重要な点として、現実の世界で脱炭素化を推進し、低炭素社会への移行を促すことによって、産業革命以前と比較した世界平均気温上昇を2°Cより十分低く維持し、1.5°C未満に抑えることを目標としています。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)は、資本配分を通じて社会の変革を推進する上で投資家が多大な影響力を持つことを踏まえ、この分野で担うべき投資家の重要な役割について認識しています。また、EU規則においてこれらのベンチマークが設定されたことは、気候変動問題への対応においてインデックス投資資産の方向転換が重要であると認識されていることを示しており、厳格な最低要件に基づき、気候変動に取り組むための包括的かつ構造化されたインデックス・アプローチを提供します。

一方で同じく重要なのは、投資家がポートフォリオとベンチマークの全体的な持続可能性アプローチに留意し、その構造の微妙な差異を理解するだけでなく、独自の分析と運用のモニタリングを行うためのデータと指標を確保することです。