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気候変動スチュワードシップ

気候変動は重大なシステミック・リスクであり、当社の投資先企業すべてが戦略的そして事業面での課題に直面しています。ステート・ストリートでは、2014年以来、気候変動をスチュワードシップ活動の中核をなす優先事項に位置付けています。


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議決権行使&エンゲージメント

議決権行使方針

気候変動は、当社のポートフォリオ企業全てにとってシステミック・リスクであると考えます。気候変動関連のディスカッションにおいては気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みが普及し、多くの投資家がこの新しい情報を活用してポートフォリオの見直しに取り組んでいます。市場における気候変動の取り組みやTCFDの組み入れを幅広く浸透させるため、気候変動関連の開示に関する当社の要請に応じない米国、カナダ、英国、欧州、豪州の主要インデックスの構成企業に対して、2022年から議決権行使を通じた取り組みを開始します。

一般的なESGの取り組みと同様に、気候関連開示の要請における最初のアプローチは、企業との対話です。エンゲージメント実施後でも改善がみられず、開示の取り組みにおいて劣後する企業に関しては、株主総会において関連する株主提案を支持したり、取締役選任に反対票を投じるなど、議決権行使を通じた行動を検討します。

気候変動関連の株主提案に対する議決権行使状況

当社の投資先企業に対して株主から提出された気候変動関連の議案数は2021年に大幅な増加がみられており、100件超(2020年は58件、2019年の47件)が決議にかけられています。2021年において、当社は気候変動関連議案の49%に対して賛成票を投じています。当社ポートフォリオ企業における気候変動関連議案については、毎年一つひとつをレビューし、議決権行使を行っています。また、その問題に関してより多くの見識を得るための株主提案者との対話や、当該企業における関連リスク管理をより良く理解するために、エンゲージメントの実施に努めています。

TCFDの提唱に合致した開示拡大の提唱を継続するとともに、2021年は地球温暖化ガス排出削減目標を要請する議案の54%に対して賛成票を投じています。気候変動関連の議案に対する当社のアプローチに関する詳細は、Q2 2021スチュワードシップ活動レポートを参照ください。

気候変動に関する議案は内容や目的が多様で、開示や慣習における変化を提唱するためのアプローチも異なっています。一部の市場では株主提案に拘束力を持たせており、大多数可決となった議案の要請に企業が応じる際の柔軟性が乏しくなっています。通常当社では、定められた期間での再生可能エネルギーへの移行の様な一定の事業変更を要請する議案に対しては反対票を投じます。この様な議案が求める行動は、規範的すぎると考えるためです。

エンゲージメント(対話)の実績

2021年において当社が実施した気候フォーカスのエンゲージメントは254件と、2020年の148件から72%増となっており、当社がより重要視している分野であることを示しています。企業との対話において注目するのは、事業の運営における気候リスクをどの様に管理しているのかと同時に、この課題を機会として捉え、どのように対応しているのかです。当社のエンゲージメントの結果、情報開示と長期の気候関連戦略の両面における改善がみられています。

TCFDが提唱する4つの要素を取り入れた当社のエンゲージメント(対話)に対するアプローチ

  1. ガバナンス
  2. 戦略
  3. リスク管理
  4. 指標

当社では、2022年1月に「効果的な気候移行計画に向けた開示要請(Disclosure Expectations for Effective Climate Transition Plans)」を発表しました。これは、当社を含む投資家コミュニティ全体が、低炭素経済への移行に向けた企業における取り組みを評価するに必要な情報を入手するための第1歩だと考えています。

2022年には、炭素排出量の多いセクターの中でも特に排出の多い企業に焦点を当て、気候移行計画の情報開示に関するエンゲージメント・キャンペーンを実施する計画です。企業との対話を通じて、気候移行の計画や戦略、各社における気候関連リスクと移行がもたらす戦略的オポチュニティに対する理解を深めることに努めます。

Climate Engagement

関連コンテンツ

アドボカシー

当社が参画するクライメート・アクション100+のイニシアティブは、気候変動に関する企業との対話を通じて主に次の3つ、気候変動をめぐるガバナンス向上、排出削減、気候関連の開示強化を目指しています。これらの目標は、企業との対話やリサーチ/インサイト、議決権行使プロセスを通じて当社が提唱してきた内容と合致するものです。当社における気候スチュワードシップのアプローチとクライメート・アクション100+との整合性は、同イニシアティブとの足並みがそろったTCFDやサステナビリティ会計基準審議会(SASB)の枠組みを奨励している点からも明確です。

気候投資

気候変動は、今日の投資ポートフォリオにおける最大のリスクのひとつだと考えています。これらリスクは、明らかな汚染者のみならず、ほぼ全ての分野や業種に影響を及ぼしています。一方で、気候変動の影響を踏まえて経済の軌道がシフトする中で、気候リスクは莫大な投資機会を提供するものでもあります。

ステート・ストリートにおける取り組み

気候関連レポーティング&コミットメント

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、2022年4月にネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアティブ(NZAMI)に加盟しており、当社ポートフォリオにおいて2050年までにネットゼロを達成するという目標と2030年までの中間目標を設定しました。これ以外にも、投資家の気候変動行動計画(Investor Climate Action Plan)やTCFDレポートを含む行動計画の詳細を発表する予定です。また、排出量が最も多い資産をプライベート・エクイティやヘッジファンド等その他機関に売却する「ブラウン・スピニング」の悪質な影響を回避するためにも、アセットオーナーに対しては、上場/非上場を問わず、一定規模以上の企業すべてに対する世界共通の開示要件の開発に取り組むように呼び掛けています。

2020年国連責任投資原則(UNPRI)リーダーズ・グループ

2020年におけるリーダーズ・グループのテーマである気候関連レポーティングに関する当社の卓越した情報開示と高度な取り組みが評価され、2020年リーダーズ・グループに選出されました。

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