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グローバル最小分散戦略のパフォーマンス評価

投資家が低ボラティリティ戦略に資産配分するのは通常、ポートフォリオのトータル・リスクを軽減し、ダウンサイド・プロテクション効果を享受するためであり、それに伴う追加的なメリットとして長期的に競争力のあるリターンがもたらされます。当社のデータによると、低ボラティリティ戦略が想定通りに機能したかを判断する際には短期的な四半期報告だけでなく、より長期で検証することが重要です。というのも、歴史的に見ると、株式市場が堅調な局面において低ボラティリティ戦略は断続的にパフォーマンスが弱含む場面があるからです。

このレポートでは、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)のグローバル最小分散戦略(以下、当戦略)の運用開始(2008年10月)以来のパフォーマンスを分析し、低ボラティリティ戦略が、競争力のあるリターンとリスク低減という2つの目的をいかに実現しているかについてご紹介します。


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短期および長期間における低ボラティリティ戦略のパフォーマンス・レビュー

2021年

力強い経済回復を受けて市場は新型コロナウイルス感染症による混乱を乗り切り、先進国市場の株式1は3年連続で2桁リターン(2019年27.67%、2020年15.90%、2021年21.82%)2という素晴らしいパフォーマンスで2021年を締めくくりました。一方、当戦略を含む低ボラティリティ戦略は、時価総額加重ベンチマークに遅れをとり続けましたが、これは低ボラティリティ戦略にとって、強気相場において典型的に見られる結果です。当戦略の2021年のリターンは、時価総額加重指数のMSCIワールド指数(以下、ベンチマーク)の21.82%に対し、13.73%に留まり、ベンチマークを8.08%アンダーパフォームしました3

2022年第1四半期

2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻を受け、経済活動が落ち込み、インフレ圧力は増幅され、市場のボラティリティが高まりました。低ベータ株が高ベータ株をアウトパフォームしたことから、生活必需品や公益、ヘルスケア等のディフェンシブ・セクターが相対的によく持ちこたえました。当戦略はダウンサイド・プロテクション機能を発揮し、ベンチマークの-5.15%に対して-0.64%と、4.51%のアウトパフォームとなりました(図表1)4。このレポートで述べている通り、

弊社のデータによると、低ボラティリティ戦略は、上昇相場の環境下ではアンダーパフォームし、下降相場の環境下ではアウトパフォームしてきました5

 

chart1

長期:2009年~2022年

2008年の当戦略の運用開始以降、ベンチマークがプラスのリターンを記録した年は10回、マイナスのリターンの年は3回でした。このような過去13年間の市場環境を鑑みれば、当戦略を含め、どんな低ベータ戦略であれ株式市場に遅れをとるであろうことは予想がつきます。当戦略はまた、低ボラティリティファクターが不人気の時期にもアンダーパフォームする可能性がありますが、過去13年間でポートフォリオに次のような恩恵をもたらしてきました6

  • 実現ボラティリティの低下
  • 厳しい市場環境におけるダウンサイド・プロテクション
  • 長期にわたる競争力のあるリターン

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