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持続可能な成長に投資する:クオリティの優勢が続く

株式市場が波乱に満ちた今年1年間の終盤に差し掛かった今、猛烈な勢いで始まった世界経済の回復は、当初の勢いに陰りが見え始めているもののまだ継続している。

CIO, Fundamental Growth and Core Equity

経済の再開によって拍車がかかり再び盛り返してきた景気回復の波は、デルタ型変異株の拡散や、懸念されるデータが中国で報告されるに従って、勢いを失いつつあるように見える。懸念すべき材料が増えつつあるにもかかわらず、世界の株式市場は8月にかけて、ほとんど抵抗なく上昇の一途を辿ってきた。前述の新型コロナウイルスの変異株以外にも、高いインフレ率、サプライチェーンの混乱、中央銀行のテーパリングが差し迫っていること、中国市場のボラティリティ、米国の財政政策の規模縮小など、様々な懸念材料が出てきた。これらの問題が投資家心理に影響を与え始めていることは、9月に株価が高値から下落したことで明らかになった。成長株が上昇相場を大きく牽引してきたが、ワクチン接種が加速し、ウイルス感染者数がピークに達したと思われることから、商取引の再開が再び注目されてきている。

好材料の一つとして、企業収益の増加が続いているが、市場はこの傾向を過小評価している。この結果、市場の上昇にもかかわらず、コンセンサス予想に基づくバリュエーションは今年、大幅に低下している。これが、前四半期に述べた「良性の評価低下」である。このような状況にもかかわらず、バリュエーションは過去の水準から見てもまだ高位にある。年末に向けて検討すべき主な事項は、金利とインフレ、新型コロナウイルス、米国で検討されているインフラ投資の財源としての新税の可能性、そして継続的な収益の拡大である。

世界経済の回復に伴って投資家が均衡点を探ろうとする中、市場では、経済再開による循環的な景気変動、リスクオフ環境、長期的に持続する成長の3つの観点の間で鍔迫り合いが続いている。このような環境下では、長期的な視点に立つことが特に重要であり、長期にわたる期間ではクオリティが最終的に優位を保つことになると考えている。当社では引き続き、強力な経営陣、強靭なビジネスモデル、クオリティを反映した堅実な財務体質を持ち、妥当なバリュエーションにある企業へ投資している。

今号の四半期ニュースレターでは、最初の章で、保健医療へのアクセスのしやすさや医療効果などの重要な課題に取り組むヘルスケア・医療業界において、抜本的なイノベーションの鍵となると考えられる2つのディープテック(技術革新を通じて社会的課題の解決に取り組む研究開発)について紹介する。さらに次の章では、当社のリサーチ・アナリストが、産業用ガス業界に変革をもたらすAPD(エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社)について深く掘り下げている。世界的な潮流がもたらす機会に合わせたAPDの長期成長の可能性は、顧客の炭素排出強度を低減する「クリーン」技術への戦略的な投資を通して持続可能性を実現するという経営陣の目標によってもたらされている。

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