ESG(環境・社会・ガバナンス)

投資家の目標:ネットゼロ

2016年パリ協定に対するコミットメントや第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の流れを受けて、機関投資家にとって、ネットゼロ達成に向けた取り組みが重要課題となっています。ネットゼロ投資戦略の実行に向けた主要なステップについて、概要を説明します。


1. エンゲージメント(対話)


気候目標との整合性(アラインメント)確立に向けた主要ツール

アラインメント確立に向けた仕組みとして、投資戦略ではエンゲージメントとスチュワードシップを優先すべきです。投資家は専門知識の不足などから直接的なエンゲージメントが困難な場合があり、多くのアセットオーナーにとってそのような場合、エンゲージメントはアセットマネージャーを通じて実施されます。

当社の気候スチュワードシップのアプローチ

Our Climate Stewardship Approach

2. 投資除外


ダイベストメント(投資の引き揚げ)が有効な場合も

アラインメントを確立するための主な手法として推奨されるのが、エンゲージメントとスチュワードシップの活動です。一方で、気候関連の財務リスクが存在するケースで企業とのエンゲージメントを通じて望ましい結果が得られなかった場合や、投資先企業の主たる事業が信頼できるネットゼロ経路の観点から許容できないと判断される場合、ダイベストメントや投資除外を検討します。

投資除外の導入は容易にみえるかもしれませんが、エンゲージメントを通じた取り組みが不可能となるため、その点をどのように整理するかについて明確な指針が必要となります。気候変動は日々変化している新しいトピックであるため除外基準の設定が困難であり、時間とともに見直しや再検討が必要となる可能性もあります。

カスタマイズしたダイベストメントは、企業のCO2排出量、化石燃料関連事業を手掛ける企業の間接的な持ち分などの数値や指標に基づいて行われます。しかし、これら指標の適切なしきい値の決定は必ずしも容易ではありません。


3. 資産配分


伝統的な資産クラス

ポートフォリオの戦略的な資産配分は、国債から株式までの資産クラスをカバーするものです。これらの資産配分は、一定期間のリスク/リターン予測に基づいて決定されます。

さらに、アセットオーナーの気候変動政策を導入する必要があり、組み入れ企業レベルの測定可能なパラメーターを定義する必要があります。これらは、ポートフォリオ全体で合算した評価・モニタリングが可能である必要があります。気候変動のパラメーターは、気候変動の緩和や適応に関連するもので、ヒストリカル(過去・現時点)または予測に基づいたフォワードルッキングなものがあります。

非上場/オルタナティブ資産クラス

アセットオーナーにおいては、プライベート・デットやエクイティ、実物不動産やインフラなど、流動性の低いオルタナティブ資産への資産配分を行うケースもあります。非流動資産における気候変動との整合性の評価はまだ確立されていない分野です。これらに関するレポーティングは標準化されておらず、必ずしも透明性が確保されていないため、エンゲージメントが主力となる分野です。


4. レポーティング


必要不可欠な要素

ネットゼロ戦略を成功させる上で欠かせないのが、レポーティングです。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズでは、お客様の投資ポートフォリオについて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の指標や以下のような気候プロファイルを含むESG要素を盛り込んだレポートや分析を提供しています:

  • 炭素強度
  • 加重平均炭素強度
  • スコープ1 & 2炭素排出量
  • 炭素排出の総埋蔵量

グリーン、ブラウン収入の割合や気候適合スコアといったその他の気候指標が投資戦略に組み込まれている場合、これらに対するレポーティングも可能です。また、外部レポーティング・ツールを活用した気候シナリオ分析の結果を提供することもできます。以下は当社のESG/気候関連のレポーティング例です。

  • 炭素排出関連データ(TCFDに沿った指標を含む)
  • 気候データ(化石燃料、ブラウン/グリーン収入、適応スコアなど)
  • 当社独自のR-FactorTM枠組みを活用したESGスコア
  • エンゲージメントのハイライト
  • 外部レポーティング・ツールを活用した気候シナリオ分析

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