投資目的
ETFの投資戦略や目的は多岐にわたります。したがって、ETFが目指すもの、パフォーマンスの基準となるベンチマーク、達成するために用いる方法や購入する資産、パフォーマンスを生み出すために取るリスク、といった基本的事項を理解することは極めて重要です。
ETFが目指しているものとは?
インデックス・ベースのETFが通常目指すのは、インデックス・パフォーマンスへの連動です。トラッキング対象のインデックスの構造は、ETFのパフォーマンスに影響する重要な要因です。たとえばインデックスの加重方式には、均等加重、時価総額加重、配当加重、その他多くの方法があります。
アクティブ運用ETFは、市場全般に投資するのではなく、投資または除外する証券や資産を積極的に決定していくことで、特定のベンチマークやインデックスをアウトパフォームすることを目指しています。
目的達成のために購入する資産とは?
ETFが投資戦略を実現するための方法も、見極める必要があります。それはインデックス、アクティブいずれのアプローチについても言えます。つまり、インデックスのパフォーマンスを再現するために(インデックス運用)、あるいはインデックスのパフォーマンスをアウトパフォームするために(アクティブ運用)どのような資産を購入するのか、ということです。
インデックス・ベースのETFには、連動するインデックスの構成銘柄(すべて)に投資するもの(「現物を裏付けとするETF」と呼ばれています)、あるいはインデックスを構成する銘柄の代表的なサンプルに投資するものがあります。また、原証券や原資産に投資するのではなく、デリバティブを採用してインデックスに連動するETFもあります。選択されたアプローチは、ETFがどれだけ的確にインデックスに連動できるか(トラッキング・ディファレンス)や全般的なリスクに影響する可能性があります。
ETFに伴うリスクとは?
他のあらゆる投資と同様に、ETFもリスクがあります。最大のリスクは通常、ETFの投資目的や目的達成のために取得する資産に関係しています。通貨や金利、経済成長の影響、市場や資産に影響を及ぼすその他の要因も、リスクとなり得ます。
インデックス・ベースの戦略のリスクの1つにトラッキング・エラー(ETFのリターンとETFが連動するインデックスのリターンとの差)があります ―― 詳細については質問6をご参照下さい。
プレミアム/ディスカウントのボラティリティ(ETF受益証券の市場価格と、ETFが保有する資産の市場価値、すなわち純資産価格[NAV]との不均衡)も、すべてのETFにとってリスク要因です。不均衡が発生するのは受益証券が証券取引所で取引されているからであり、価格は一時的なセンチメントや市場のボラティリティによって、NAVから乖離する可能性があります。ただし、ほとんどのETFでは、価格は時間の経過とともに再びNAVへと収斂します。一般的に投資期間が長いほど、この種の動きが投資家に与える影響はそれほど重要ではなくなります。