Bond Compass

流動性ニーズへの対応とインハウス運用を支えるETFの役割

700の機関投資家および投資決定者を対象とした当社の新たなグローバル調査では、進化する債券市場においてETFがいかに重要な役割を担っているかが明らかとなりました。本調査では、以下の2つの重要な成果が得られました。


Q4 2022


ETFを利用して、変化する流動性需要に対応

過去の低金利環境下での圧力に対応して、多くの機関投資家はプライベート・クレジットなどの非流動的なインカムへの配分を増やしてきました。

オルタナティブ資産のデータ・プロバイダーであるプレキン(Preqin)によると、プライベート・デットの運用資産残高は2026年までに2兆6,900億米ドルに達し、不動産を追い抜くと予想されています1。こうした中で、世界中の全ての調査参加者にとっては、ポートフォリオの流動性向上が最大の関心事となっています。

 

全ての調査参加者にとって、ポートフォリオの流動性向上は優先事項
今後12カ月間の債券への配分を通じて、取り組むべき最も重要な優先事項は次のうちのどれか?


Source: State Street Global Advisors, May 2022. Response options included: Integrate ESG considerations; manage effects of inflation/rising rates; greater portfolio liquidity; produce higher portfolio returns; generate reliable, low-risk income; diversify equity/risk exposures. Note: Respondents were allowed to select up to two options. n=700.

当社の調査対象となった投資家は、過去3年間にわたって、プライベート・クレジットへの配分資金を公募債券や現金などの高流動性資産から調達してきました(下図参照)。

 

投資家はプライベート・クレジットへの配分資金を主に高流動性資産で調達
過去3年間にプライベート・クレジットへの全体的な配分を増やした場合、その資金を調達するために、どの資産クラスの配分を調整したか?

Source: State Street Global Advisors, May 2022. Note: Respondents were allowed to select all that apply.

しかし、プライベート・クレジットへの配分を増加させると、投資家の利回りおよびインカム特性が向上した可能性はあるものの、流動性は、一般的な債券、現金、株式の組み合わせに比べて、格段に低くなっています。

当社の調査では、投資家はプライベート・クレジットへのエクスポージャー拡大に伴う流動性リスクの上昇を管理するために、債券ETFを利用するなど、様々な戦略を展開しています。

 

ETFは流動性プロフィールの維持に重要な役割を果たす
プライベート・クレジットへの全体的な配分を増やした場合、それに伴う流動性リスクの上昇に対処するために、どのような措置を講じたか?

Source: State Street Global Advisors, May 2022. Note: Respondents were allowed to select all that apply. n=473.

特に年金基金の場合、スキームの総流動性要件に照らして、公募債券とプライベート・クレジット間のリバランスがもたらす意味合いを評価することが極めて重要です。ETFへの配分は、年金基金が長期リターンの最大化を図りつつ、短期的な年金債務に対応する柔軟性を確保するのに役立ちます。

米国アセットオーナーの債券マネジャーは、流動性の強化が、ポートフォリオの構成要素としてETFを利用する、主な利点の一つであると述べています:

「特定のセクターへの配分が必要な場合、ETFは最適な手段になり得ます。ETFは流動性に優れ、使い勝手が良い上に、取引コストを簡単にモニタリングできるため取引コストがかさむことはありません。しかし、アルファを生み出そうとするならば、適切なセクターをオーバーウェイトするだけでは不十分で、何らかのアクティブ戦略も取り入れる必要があります。」

ETFは債券のインハウス運用へのシフトをサポート

世界金融危機は、長期にわたり歴史的な低金利をもたらしました。この状況は10年超続き、投資家は債券ポートフォリオの効率改善を迫られました。

効率改善は、現在も優先事項となっています。調査回答者の46%は債券に割り当てられた手数料予算を、より効率的に活用するよう大きな圧力を受けていると述べています。

一部のアセットオーナーは、こうした圧力を背景に外部の運用会社に大部分依存するのではなく、インハウスの運用チームを設置するようになっています。当社の調査では、債券運用の効率化を迫られているアセットオーナーのうち、46%は今後12カ月内にポートフォリオ運用の一部を内製化することを計画しているのに対して、手数料に関して同様の圧力を受けていないアセットオーナーでは31%にとどまっていることが明らかとなりました。

内製化に向けた動きは、地域によって大きく異なります。今後12カ月で債券ポートフォリオの一部を内製化する予定のアセットオーナーの割合は、アジア太平洋地域では64%、欧州では45%、北米ではわずか8%となっています。

組織の規模も、この決定に影響しています。ポートフォリオの一部を内製化している基金等の割合は、調査対象となった最大手アセットオーナー(運用資産規模:100億ドル超)では64%に上るのに対して、運用資産規模が30億ドル未満では34%にとどまっています。

アセットオーナーは、運用資金をインハウスに移管する決定を下した場合、自由に使えるリソースを活用して、債券エクスポージャーを効率的に構築する方法を検討する必要があります。当社の調査では、今後12カ月内に債券をインハウスに移管する予定のアセットオーナーは、ETFがエクスポージャーを構築する上で重要なツールになると考えていることが分かりました。

 

アクティブETFとインデックスETFがインハウスの債券運用ツールとしてアセットオーナーの中で上位にランクイン 
インハウス運用を増やす予定の資産について、エクスポージャーを構築する上で、以下のアプローチはどの程度重要か?

Source: State Street Global Advisors, May 2022. Chart shows percentage rating as high importance. Note: Respondents selected the level of importance for each asset. n=211.

ETFを利用すれば、投資家は運用を担当する大規模な社内チームを必要とすることなく、アロケーション・モデルを実行することができます:

「リソースを持たないが、当該の資産クラスに対するエクスポージャーを必要とする場合には、ETFが便利です。専門家にETFを運用してもらうことになりますが、ポートフォリオを運用するために、様々なシステムを社内に備える必要はありません。規模を拡大するのは簡単で、その上ETFによっては分散化も可能です」。

- 米国アセットオーナーの債券マネジャー


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