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インフレ対応に適する資産クラスを考える

伊藤 拓之

アセット・アロケーション/
為替運⽤グループ、
クオンツ・アナリスト


日本では持続的なインフレが金融経済の中心的な話題になることは少ない。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしていますが、消費者物価指数上昇率(CPI前年比、以降インフレ率と呼ぶ)は一向に目標である2%に達してきません。

米国に目を転じてみると、前年比のベース効果、サプライチェーンの制約、金融および財政政策の支援によるマネーサプライの増加など複数の要因によりインフレ率は、ここ数ヶ月で急激かつ広範囲に加速しています。米国の6月のインフレ率は5%を超える水準に達しています。

米国のインフレは短期から中期的に高止まる可能性があると考えています。時間の経過とともに、前年比のベース効果は剥落し、サプライチェーンは最終的には回復しますが、金融政策および財政政策からのマネーサプライの投入は、米国連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げ始めるまでより長く続き、より高いインフレを促進します。

米国で続くインフレ環境下において、投資家は分散ポートフォリオのインフレの影響を軽減、分散、または活用する方法を検討する必要があります。その時、インフレ対応に適するのはどのような資産クラスかを今回は検討します。