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イノベーション銘柄のストーリー:メルカドリブレ

革新的な製品やソリューションを提供し、市場をリードする優良企業の発掘を通じて長期的なパフォーマンスを生み出すという当ファンドの戦略を体現する銘柄を紹介します。


Director of Research
Senior Equity Research Analyst
Senior Emerging Markets Analyst

  • 市場ポジションのCQスコア:8.1/10
  • 長期成長率:15%
  • CQスコアの評価ポイント:Eコマースとフィンテック・サービスの両面から成るプラットフォーム、多様な品揃え、強力な物流ネットワークによって、メルカドリブレがラテンアメリカのEコマース業界においてリーダーシップを発揮していることを反映しています。メルカドリブレの優れたサービス水準は、同社のEコマース・プラットフォームにブランド企業を引きつけています。

メルカドリブレは、ラテンアメリカにおいて、Eコマースとデジタル決済サービスが最も高い水準で統合されたエコシステムを提供するEコマース業界のリーディング企業であり、かつ決済ネットワークでもあります。2022年第2四半期において、同社のプラットフォームには約1,200万人の売り手が存在し、3億7,200万点の商品掲載があり、アクティブ・ユーザーは8,400万人になります11。これらは当社が革新的なビジネスモデルに求めるネットワーク効果やプラットフォーム効果の顕著な要素です。売り手は買い手が存在するところに行かなければならず、その逆も然りです。そのため、先行者としての優位性や、単純に優れたプラットフォームを持つことが重要になり得ます。

ラテンアメリカは世界で最も急速にEコマースの普及率が伸びている地域の一つであり、メルカドリブレはEコマースの優れたエコシステムにより、この地域の他の企業よりも常に高い成長率を誇っています。2021年には流通取引総額(GMV)280億米ドルを達成し、過去3年間の成長率は年率32%となりました。同年の出荷商品数は約10億点で、過去3年間の成長率は年率63%でした12。したがって、ラテンアメリカでの市場シェアを拡大させ、規模で競合を上回っていく中で、メルカドリプレの市場ポジションCQスコアは高まり続けると考えられ、同社が長期的に持続的な成長を遂げることへの信頼が高まっています。

Eコマースとフィンテックが持続可能な成長を促進

メルカドリブレのEコマースとフィンテックの両面から成るプラットフォームは、同社が持続可能な成長を遂げるうえで重要な役割を担っています。同社は、イノベーションの推進や、自社の地位を向上させるための新たな取り組みを続けています。

  1. 物流:メルカドリブレは過去5年間に独自の物流ネットワークを構築し、配送の約90%を自社管理ネットワークで実施しています13。物流のコントロールは、配送コストを抑制し、顧客サービスの水準を向上させながら迅速な配送時間を実現するという点で、成功に欠かせません。メルカドリブレは、このサービスを有料化する初期段階にあり、新たな収益機会が生まれています。
  2. 品揃え:豊富な品揃えは顧客のロイヤリティを高め、トラフィックと購入回数を増加させます。メルカドリブレはラテンアメリカの「何でも屋」となっており、品揃えに関して市場をリードしています。流通取引総額は多様性に富んでおり、全体の15~20%以上を占める商品分野はありません。このことは、高金利の影響を受けやすく、取引が大幅に減速している分野の競合他社と比較して、業績の下支えとなっています。
  3. フィンテック:メルカドリブレは元々、マーチャントとユーザーのEコマース取引を円滑化するための決済サービスを提供していました。過去5年間で提供するサービスの数は徐々に増え、現在、メルカドリブレのフィンテック・サービスのユーザーは3,800万人、ウォレット・サービスのユーザーは2,140万人、投資口座の件数は2,240万件に達しています14
  4. 広告サービス:広告サービスはあくまで初期段階ではあるものの、その重要性はますます高まっています。メルカドリブレは、広告主が自社プラットフォーム上で広告費へのアクセス、管理、最適化を行うためのより良いツールの導入に注力しています。持続可能な成長を実現するために、今後もさらなる技術開発が行われるでしょう。
  5. タオバオ(C2C)からTモール(B2C)へ:時とともにサービス水準が向上したことで、ブランド企業(公式ストア)がメルカドリブレのEコマース・プラットフォームに参入しています。アップル、サムスン、アディダス、ディズニーなどの公式ストアはGMVの25%以上を占めます15。以前のメルカドリブレの取引は主にC2Cであり、B2C取引は小規模事業者が中心でした。

メルカドリブレは上記のすべての取り組みにおいて他社をリードしています。こうした取り組みは進化を続けており、同社がトラフィックを収益化し、テイクレート(取引手数料)を増加させる余地は依然として大きいと考えられます。広告、フルフィルメント・サービス、保険・投資・資産管理ソリューションなどのフィンテック分野における新たな付加価値サービスには、収益拡大の機会があるとみられます。