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低ボラティリティ戦略がもたらす長期的な価値

投資家が低ボラティリティ戦略に資産配分するのは通常、ポートフォリオのトータル・リスクを軽減し、ダウンサイド・プロテクション効果を享受するためであり、それに伴う追加的なメリットとして長期にわたり競争力のあるリターンがもたらされます。当社のデータによると、低ボラティリティ戦略が想定通りに機能したかを判断する際には、短期的な四半期報告だけでなくより長期で検証することが重要です。というのも、歴史的に見ると、株式市場が堅調な局面において低ボラティリティ戦略は断続的に短期パフォーマンスが弱含む場面があるからです。本レポートでは、過去20年にわたる低ボラティリティ指数のパフォーマンスを検証します。


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本レポートでは、低ボラティリティ戦略の使用事例としてMSCI最小ボラティリティ・ファミリーを使用します。MSCI最小ボラティリティ指数の構築コンセプトは次のとおりです。すなわち、時価総額加重の親指数の投資や複製可能性に関する特徴を維持しつつ、国やセクター、スタイルへの意図しないベットを回避しながらトータルリスクを最小化することで、優れたリスク調整後リターンを提供することです。

 

短期および長期間における低ボラティリティ戦略のパフォーマンス・レビュー

2021年

力強い経済回復を受けて市場はコロナウイルス感染症による混乱を乗り切り、先進国市場の株式1は3年連続で2桁リターン(2019年27.67%、2020年15.90%、2021年21.82%)2という素晴らしいパフォーマンスで2021年を締めくくりました。先進国市場の力強さとは裏腹に、新興国市場のパフォーマンスは-2.54%となりました3。先進国市場では低ボラティリティ戦略が時価総額加重ベンチマークをアンダーパフォームしましたが、新興国市場では最小ボラティリティ指数が親指数をアウトパフォームし、2021年は+5.55%のリターンを計上しました。

2022年第1四半期

2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻を受け、経済活動が落ち込み、インフレ圧力は増幅され、市場のボラティリティが高まりました。低ベータ株が高ベータ株をアウトパフォームしたことから、生活必需品や公益、ヘルスケア等ディフェンシブ・セクターが相対的によく持ちこたえました。低ボラティリティ戦略はダウンサイド・プロテクションの役割を果たし、図表1のアクティブ・リターン4のデータで確認できるとおり、各地域で時価総額加重指数をアウトパフォームしました。

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