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エンゲージメントかダイベストメントか?気候インパクトの核心にある問題


気候変動は、世界経済を揺るがし兼ねないシステミックな脅威であり、あらゆる企業にとって戦略/事業運営上の課題となっている。気候変動がもたらすシステミックな影響への認識が高まるにつれて、様々な面で進展も見られる。

各国は、21世紀末時点の世界の気温上昇を2℃より十分低く抑えることを目指した2015年のパリ協定に従い、二酸化炭素排出量の削減を約束している。その上、多くの国・地域はEUが主導する形で、炭素価格の設定や排出権取引の導入により、2050年までにネットゼロ排出量の実現を目指している。

エネルギー消費においては、化石燃料による公害の影響の認知、炭素排出量削減の必要性、再生可能エネルギーの価格低下と実用性の向上を背景に、化石燃料から再生可能エネルギーへの持続的なシフトが見られる。

投資家の間では、持続可能な投資戦略の方がより強固であるとの考え方に基づき、資本配分の決定において気候変動や他のESG課題を取り込む機運が高まっている。

こうしたトレンドから、投資家が投資先企業にプラスのインパクトをもたらすにはどうしたらよいかという点について、大きな議論となっている。投資家として、化石燃料に関わりのある企業にエンゲージメントを行うべきか、あるいは売却して投資を引き揚げるべきか。本稿では、それぞれのアプローチが持つ可能性について考察した上で、最終的には、持続的な影響を与えるためにはエンゲージメントがより有効なツールだと考える理由について説明する。 

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