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ETF FLOWS

市場とETFにとっての記念すべき年

最新のETF資金フロー分析にみる投資家センチメントの変化

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Matthew J Bartolini profile picture
Global Head of Research

2025年は市場にとって記念すべき年でした。世界の株式、債券、商品はすべて上昇し1、さらに重要なことに、すべてがパフォーマンスで現金を上回りました2。これは2019年以来、3つの主要資産クラスが同じ年に現金を上回った初めてのことです。

市場を支えたのは幅広い銘柄群です。株式では、MSCI ACWI指数に含まれる47カ国のうち41カ国が上昇(平均は27カ国)3。米国の世界産業分類基準(GICS)セクターでは11のうち10セクターが上昇(平均は8セクター)しました4。債券市場では、満期や信用格付けの領域を横断する主要なコアおよびサテライトセクターがすべて上昇しました5。

こうした好調な市場リターンの中で、ETFの資金フローも記録を打ち立てました。

フローと残高は新記録へ急伸

米国上場ETFは2025年に過去最高の1兆5,150億ドルを流入し、2024年の記録1兆1,520億ドルを大きく上回りました。12月には初の月間2,000億ドル超えとなる2,350億ドルの巨大な資金流入があり、年間合計を押し上げました。

この巨大な12月の流入により、第4四半期だけで5,640億ドルの流入となり、同四半期の平均流入額2,650億ドルの倍の規模となりました。リスクオンに対しての楽観、低コストやアクティブ運用といった長期的トレンドの加速、そして季節的な買い行動が、この記録的なラリーを後押ししました。

この力強い第4四半期(図表1)と良好な市場リターンにより、2025年のETF資金流入は急増し、ETFの運用資産総額は13.4兆ドルに達し、再び新記録を樹立しました。

強さは至るところにありました。12月にはすべての主要資産クラスで資金流入があり、年間でも記録的な流入を達成しました。実際、2025年にはすべての資産クラスで二桁の成長率(資産に対する流入比率)を記録しました。

10兆ドル超のカテゴリーである株式ETFは、12月に過去最高の1,750億ドル流入(年間では+9,410億ドル)となりました。債券ETFは12月に470億ドルを流入し、同カテゴリーでは史上3番目の高水準、年間では4,480億ドルで記録を更新しました。

コモディティETFにおける12月の100億ドル規模の資金流入は、金ETFが過去5番目となる63億ドル、銀ETFが過去最高の20億ドルの流入を記録したことで押し上げられました。投資対象となる商品が広範となるブロード・コモディティのファンドでも4億ドルを追加し、年間合計は30億ドル(年間で過去2番目)に達しました。こうした背景には、投資家が実物資産を活用し、ポートフォリオの耐性強化を図っていることが背景にあります。

債券ETFが記録を更新したにもかかわらず、センチメントは防御的とは言えません。実際、株式ETFと債券ETFの3か月間のローリング差は90パーセンタイルを突破し、過去最高に近い水準に達しました(図表2)。これは投資家が強気でリスクを取っていることを示しています。

2026年のスタートでは、ある程度の回帰が予想されます。2024年末にも同様の季節的な急増があり、その後「解放の日」によるものとはいえ、落ち込みが確認されたためです。

シクリカル(景気敏感)株と米国外株式への上昇志向

地理的な観点では、米国が株式フロー全体の86%を占めた前年から、2025年にはそのシェアが低下しました。米国株ETFへの流入額は6,870億ドルで、2025年の株式フロー全体の73%を占めました。投資家は株式配分において地域分散を強化しようとしています。

記録的な先進国株式への流入(+1,240億ドル)に加え、新興国市場のエクスポージャーも米国外株式への関心を高める明るい材料となりました。昨年の新興国市場ETFへの流入額372億ドルは、過去2番目の高水準で2017年の374億ドルに僅差で迫りました。マクロ環境やリターンの追い風が続けば、この勢いは今年も維持される可能性があります。

図表3:地理的観点におけるフロー

百万ドル12月2025年直近3カ月指標年初来(純資産に対する割合)
米国127,886687,526286,72010.15%
グローバル7,92750,16920,90725.82%
先進国25,138123,97747,94016.36%
新興国7,51337,20416,82614.04%
地域1,69518,0206,68130.39%
単一国2,0469,8313,5588.57%
通貨ヘッジ1685,2271,20119.34%

出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2025年12月31日時点。各期間中の上位/下位2カテゴリーは色付けされています。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。

米国セクターにもリスクオンの姿勢が表れていました。12月に80億ドルの流入があり、米国セクター全体では年間で300億ドル近くを取り込みました。年末にかけて7カ月連続の流入を記録したことは、2026年に向けたリスクオンの楽観ムードを示しています。シクリカル(景気敏感)セクターへの資金流入もこの見方を裏付けています。

シクリカル(景気敏感)セクターは12月に90億ドルの流入を記録し、主導したのは素材、不動産、資本財セクターでした。一方、ディフェンシブセクターは11億ドルの流出となり、公益事業セクターへの5億ドルの流入がなければさらに悪化していたでしょう。投資家は引き続きAIエコシステムの恩恵を受ける銘柄へのポジションを取っています。年間では、公益事業セクターが70億ドルの流入を記録し、全セクター中3番目の高水準となりました。

図表4:米国セクターのフロー

百万ドル12月2025年直近3カ月指標変初来(純資産に対する割合)
テクノロジー-43514,0994,6164.60%
金融-177-235-3,092-0.25%
ヘルスケア-1,066-2,3034,779-2.64%
一般消費財1,091-1,184-472-2.81%
生活必需品-631-1,043-1,246-3.83%
エネルギー566-3,8491,888-4.95%
素材3,3058964,5852.44%
資本財2,0418,7703,69917.00%
不動産2,1954,2423,0165.39%
公益事業5156,7782,03225.07%
コミュニケーション4763,70631013.70%

出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2025年12月31日時点。各期間中の上位/下位2カテゴリーは色付けされています。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。

債券フローが示す3つのトレンド

12月は再びイールドカーブの短期ゾーンへのポジションの偏りが見られました。FRBによる利下げ(2026年にも追加利下げが予想されています)で短期金利は低下する見込みにもかかわらず、投資家は短期国債ETFに60億ドルを投入。一方、長期国債ETFは資金流出となりました。

さらに、中期セグメントには30億ドルの流入があり、こうしたカーブ関連のフローは、投資家が過度なデュレーションリスクを避ける姿勢を示しており、これは年間を通じた傾向です。

クレジット関連セクターへの関心継続も見られました。クレジット関連セクターは12月に70億ドルの流入、年間では770億ドルの流入を記録しました。特にハイイールド債券ETFは年間で過去最高の260億ドルの流入を達成し、債券で成長志向のリスクを取る強い傾向を示しています。

最後のトレンドはインフレ連動債(IL債)への継続的な流入です。12月には3億3,000万ドルの流入があり、IL債は12カ月連続で資金流入を記録。これは2022年以来最長の連続記録であり、投資家が現在の粘着性のあるインフレ環境でポートフォリオの耐性を高めようとしていることを示しています。

図表5:債券のフロー

In millions ($)12月2025年直近3カ月指標年初来(純資産に対する割合)
総合22,445179,19762,01028.70%
政府債9,137105,92035,29125.40%
短期6,37269,97522,23531.51%
中期2,91730,95012,93621.35%
長期(10年超)-1524,9951205.92%
インフレ連動債33012,0582,12521.41%
モーゲージ債1,29019,245-39525.08%
投資適格社債2,76037,19913,78514.23%
ハイイールド債3,11626,1206,96730.82%
バンクローン、CLO23613,416-15828.62%
新興国債券1,5554,3543,16215.46%
優先証券2702,0625665.45%
転換社債2048201,07311.64%
地方債5,73247,64821,99834.23%

出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P., ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2025年12月31日時点。各期間中の上位/下位2カテゴリーは色付けされています。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスの信頼できる指標ではありません。

次の「バナー」に向けて

これほどのポジティブさと成功を背景に、もし市場リターンとフロートレンドをバスケットボールのNBAシーズンに例えるなら、それは2014-2015年シーズンのゴールデンステート・ウォリアーズに似ています。記録的な73勝シーズンではなく、67勝を挙げ、NBAチャンピオンのバナーを掲げ、多くの得点記録を打ち破り、ハイペースでスリーポイント重視の新しいバスケットボールスタイルを切り開いたシーズンです。

しかし、オフシーズンにチームの核を再構築するチームとは異なり、2025年の市場のコアトレンドは2026年もゲームに残っています。利益の増加、プラスの経済成長、マネーサプライの拡大に伴う流動性の増加、そして低金利がラインナップに含まれています。ただし、2026年にもう一つバナーを掲げる準備が整ったと考えるのは早計です。結局、2015-2016年シーズンのウォリアーズはほぼ同じメンバーを戻しながらも決勝で敗れました。

2014-2015年のウォリアーズが新しいバスケットボールの潮流を生み出したように、財政・金融政策の変化は新しいマクロ経済のパラダイムをもたらしました。そして2025年には、過去15年間で最も有効だった戦略(米国株の保有)が必ずしも勝ち筋ではありませんでした。米国外株式は米国株を2009年以来最大の差でアウトパフォームしました6。

当社の2026年グローバル市場展望で述べているように、ポートフォリオを資産クラス(債券は2025年に再びリターンの源となりました)、地域、そして変化する経済環境(インフレに敏感な資産を含む)にわたって分散させることが、今年もう一つのバナーを掲げる助けになるかもしれません。

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