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ETFについて知ろう

債券ETFを検討する4つの理由

債券上場投資信託(ETF)は、株式のように手軽に売買できる上、債券投資信託(債券マネージド・ファンド)が持つ分散投資効果も享受できます。本稿では、投資家が十分にバランスのとれた投資ポートフォリオの一部として債券ETFに注目しているのはなぜか、4つの主な理由を検証します。

1. 分散投資効果

十分にバランスの取れたポートフォリオで、投資適格社債や国債などの債券をコア資産として保有すれば、困難な市場環境を乗り切る助けになります。多様な投資商品を保有するメリットは、1つの資産クラス(たとえば株式)の価値が下落した場合でも、他の資産クラス(たとえば債券)の価値が上昇すれば、損失を相殺できる可能性があることです。債券は一般的に株式より価格変動が小さいため、リターンのパターンも異なります。また、短期的にこの相関性が変化して、債券が株式と同様の動きを見せ始めた場合でも、債券のボラティリティは低いため、投資ポートフォリオ全体の評価時価の低下は抑えられます。

2. 定期的なインカムの源泉

株主が配当を受け取るのと同様に、債券投資家も利払いにより定期的にインカムを受け取ります。予測可能かつ定期的なキャッシュフローは、資本の相対的な安定性とともに、投資家がより効果的に財務を管理し、支出ニーズに対応できることを意味します ―― とりわけ変動がより大きな資産クラスから、インカムを引き出す場合との比較です。

3. 選択の範囲 - インデックスからアクティブまで

現在、債券ETFにはインデックス連動型から、スマートベータ、アクティブまで多様なタイプがあり、市場には新商品が定期的に投入されています。インデックス連動型債券ETFは、分散された、低コストで、回転率の低いエクスポージャーを求める投資家から選好されており、したがってこうしたファンドの多くは、定評ある主要インデックスを参照しています。多くの場合、インデックス運用のスキル(ベンチマークをどこまで厳密に模倣できるか等)がETFの質に反映されます。

一方、アクティブ債券ETFを選好するのは、アルファ、ダウンサイドリスク管理、その他の特定のポートフォリオ・スタイルを追求する投資家です。ただ、純粋なアルファの獲得は容易ではありません。したがって、アクティブ投資を上手く活かせるのは、ポートフォリオがその役割を遂行し、設定された目標から乖離せず、また運用チームが継続性を維持できるかどうかを精査し、モニタリングするリソースを備えた投資家です。

4. 投資の容易さ

ETFを用いれば、投資家は非常に小規模なポジションも大規模なポジションも容易に構築・解消できます。ETFは1回の取引で分散効果が得られ、最低投資額がETF受益権1口の場合もあります。これに対して、ミューチュアルファンドや直接投資では多くの場合、より大きな最低投資額が必要です。一方、大規模ポートフォリオは、キャッシュまたは現物での取引を機動的に選択できるというメリットを享受できます。さらに、ETFは証券取引所で売買できるため、あらゆる投資家に、債券やミューチュアルファンドに直接投資するときには得られない、流動性も提供します。ETFの売買高は市場の混乱時に増加しており、流動性を最も必要とする時にポジションを容易に売買できることが分かります。

透明性もETFが選好される理由の1つです。ほとんどのETFで、投資家は日次ベースの保有高、特徴、NAV、日中取引価格などの情報を容易に入手できます。
以上の理由から、投資家はポートフォリオ構築に際して、債券ETFにますます注目するようになっています。ここ数年見られた債券ETF市場の成長と浸透は、今後も続く可能性が高いでしょう。